宗教法人「生長の家」布教・環境方針 - 基本認識

生長の家は、1930年(昭和5年)の立教以来、「天地の万物に感謝せよ」との教えにもとづき、全人類に「人間・神の子」の真理を宣布し、万物を神の生命(いのち)、仏の生命(いのち)と拝む生き方をひろめてきた。人類はその間、世界大戦と冷戦を経験しながらも平和への希求を絶やすことなく、人口急増の中で経済発展をなしとげてきた。

しかし、人類は幸福追求を急ぐあまり、他の生物種や自然環境を顧みない思想と生き方が災いして、資源やエネルギーの大量消費、温室効果ガスを含む有害物質の大量排出などにより、立教から90余年をへた今、地球の自然環境は深刻な劣化状態に陥っている。即ち、地球温暖化は不可逆的なレベルに近づき、その結果である気候変動は世界各地に災害を頻発させ、食料の減産を引き起こし、難民や移民は増加を続け、政治的経済的な排外主義の台頭により、各国に政情不安が起こっている。これらは次世代以降にも及ぶ深刻な問題である。

このような中で吾々人類に必要なことは、自然と人間を“別物”と考えて搾取の対象とするのではなく、大自然の恩恵に感謝し、山も川も草も木も鉱物もエネルギーもすべて神の生命(いのち)、仏の生命(いのち)の現れであると拝み、それらと「共に生かさせていただく」という宗教心である。生長の家は、この宗教心にもとづく宗教生活の実践こそ、地球規模の広がりをもつ現在の諸問題を解決する鍵であると考える。

生長の家は、この宗教心を広く世界に伝えると共に、現代的な意味での宗教生活の実践として“自然と共に伸びる”生き方を開発し、あらゆる活動を通して温暖化の抑制と地球環境保全に貢献するだけでなく、気候変動や地震・津波などの自然災害の影響などで困窮する人類同胞の救援・支援を展開するものである。

発行2024年(令和6年)4月3日